2009年11月8日日曜日

『しんぼる』レビュー~TVでできない事やるのでは…

松本人志のラジオ『放送室』をしょっちゅう聴いている。mp3化してiPodに入れて、通勤中・ジョギング中に聴くのが主だ。聴いてたら顔がニヤついてきたり、場合によっては吹き出しそうになってしまい、近くのストレンジャーからストレンジに見なされる事がしばしば。『今の時代、気持ち悪がられている方が安全だ』というのが持論なので、僕にとっては一石二鳥。実際、電車でニヤついていると、僕の周りが少し空く事があり、『安全』とは違うが『得』。いや、周りが空く事により『痴漢冤罪の可能性が減る』って考えると『安全』に繋がるか。いやいや、ニヤついている奴なんて怪しすぎるから、むしろ間違えられる可能性高いだろ。

電車だけに話が脱線したが、先月また第1回から聞き始めた。番組が始まったのは2001年秋、アメリカのあのテロの余韻冷めやらぬ頃だ。『ごっつ』の秋スペが低視聴率だったといったような懐かしい話、現在の松本氏の状況考えると何か新鮮に聞こえる結婚トーク等、再び楽しんでいる。そんな感じで楽しんでいると、ある回で「TVでもう面白い事できない」から「VISUALBAMを再開する」と言っていた。あー確かにそんな事言ってたなー、ところで何で再開しなかったんだっけか?と思って回を進めていると、「映画撮ります。だからVISUALBAMは一先ず置いておく」、あーそうだっけか。つまり「TVではもうできないようなぶっ飛んだ事は映画でやる」って事ですね。

で現在、そんな事を言っていた氏も既に2作撮りましたが、当時の決意は果たして実現できたのか?・・・プチ信者の僕としては、正直どちらも物足りなかった。ぶっ飛んだレベルではない。実際、本人も「大分レベルを抑えた」とか「海外でも伝わるように台詞を抑えた」とか言って、思いっきり大衆向けに作っているような事言ってたし。それでも『大日本人』は普通に面白かったですけど。とは言っても、『面白い』というハードルは越えてはいるが、氏が今まで創ってきた多くの作品の中で特別上位に入るようなレベルではなかったというのが正直な感想ですが。純粋な『面白さ』で言えば、『HEY! ×3』の遠藤久美子とのトークの方が上だったりする。

では、この秋公開された『しんぼる』に関しては・・・という事で、ちょっと遅めのレビュー。
と言っても、そんなに文化レベル高くないので、大した事言えませんが。
尚、殆どTwitterの焼き回しです。
注:ネタバレあり。ていうかもう公開終了してるか?



正直、笑えるものではなかった。この世の仕組みをこんな風に捉える創造力は流石だと思ったが。

笑いの要素が転がっていたのは(僕の中では)『修行』パートのみなんですが、全てベタなんですよ。ドリフのコントみたいに(別にベタがいけないとかドリフが面白くないと言ってる訳ではない)。素人の僕でも笑いの展開が大体予想でき、実際予想通りになったことがしばしば(醤油の件とか)。ベタと言えば、氏が『放送室』で特に多用している『一周回った笑い』というのがありますが、そう捉える事も出来なかった。

『修行』パートの『しんぼる』押下時の現象、真っ先に頭に浮かんだのは『マイクロフィルム』。それが浮かんでしまってからは、ひたすら『出前一丁』が出てくるのか待ってる自分。帰宅してからググってみたら、みんな同じ感想を抱いたようで。他には、ドアに向かってダッシュの件は、雰囲気は確かに『引っ張る男』。まあそんな感慨を抱いたというだけ。

『実践』パート以降は何にも無かった。これ以降の『しんぼる』押下時の現象は、『お笑い共通一次』の理科の問題「アルコールランプで加熱したら」「ハムが飛ぶように売れた」みたいな感じで、現世に発露するんですけど、その現象が『首が伸びる』とか『火炎放射』とかいった感じで(悪い意味で)ぶっ飛んでいるんですよ。ここはベタな感じの方が良かったんじゃないかな?前述のハムのような。ど素人の僕が思いついたのだと、押す度に「メガ牛丼一丁!」。世界向けにするなら「メガマックプリーズ!」とか。
それと、このパートだと天使が大人じゃないですか。なんで、『しんぼる』も大人仕様にして、その上にモザイク被せるなんて演出はどうだろうか?なんて思った。『大日本人』の娘のように。



以上、やっぱり大した事書けなかったな。精進せねば。ちなみに世間の酷評とは裏腹に、僕の周りの客は結構笑ってた。前述の醤油や腰打ちの件とか。一番最初の絶叫(CMでもやってるあれ)のシーンで笑っているのは訳分からんかったが。

プチ信者としては、世界や大衆無視して、本当にぶっ飛んだものを創って欲しかった。キャシーのコントのようなものを。公開前のたけしとの対談でも「TVで面白い事出来ないから映画に逃げてきた」って言ってたのに・・・。でもそれだとスポンサーが金出さないんだろうな。これまた放送室で言っていた「この世のトラブルの原因の殆どは金」、トラブルの原因に限らず、何するにしても結局金か?

ゲームがファミリー・大衆向けになってきたのと同様、松本氏の笑いもそうなってしまうのだろうか(既になってる?)。正直、氏の場合は結婚しても子供産まれても路線変更のような事はまあ起こらないと思ってきたが、分からなくなってきた・・・。あぁ、人生の楽しみが・・・

ちなみに、就職前に僕は夢を描いていました。
『物凄く稼いで、松本人志のスポンサーになり、視聴率とか売上とか一切気にしない好き勝手な作品を創り続けてもらう』
という夢を。
そんな僕の現在の手取りは20万にも満たず・・・

(後記)
ずっと思っている事だが、ポップコーンやドリンクは無しだろ。ガサガサ音とかがとにかく鬱陶しい。あと携帯はバイブでもNGだっつーの。

0 件のコメント: