熱々カップルと頑固親父CO2
僕が「異常気象」という言葉を実感するようになったのは、米不足と水不足が連続した年があった90年代。それ以前か以後かは正確には分からないけど、その頃には「省エネ」とか「クーラーの設定温度は28℃を目安に!」って言葉は普通に耳にしており、おもくそ家では実践していた。だけど、「設定温度28℃」って少数派なんですよねー。友達が遊びに来ると「おもくそん家は暑い!」という意見がしばしば(そして冬は「寒い!」)。逆に、僕が遊びに行った時は「お前んち寒い!」っていうのだけど(そして冬は「暑い!」)。飲食店やデパートなんかに行っても、大抵のお店で「寒い!」と感じるのだけど、周りは大抵平気みたいだし。そうか、28℃のおもくそ家の方が異常気象なのか…なんてしみじみ思いながら生きてきた。そんな僕にとって、否が応にも皆節電せざるをえないこの夏は、非常に過ごしやすいものであったし、暑さで周りが体調崩しまくっているのを見ては優越感に浸っていた(はい小さい人間です)。今までずっと節電してきたので、別に特に生活変える必要無かったのだけど、何もしないのも癪だし、それならさらに引き離してやる、さらなる高みを…ということで、エアコンゼロ稼働に挑戦。結果は…ゼロは流石に無理だったけど、盆に3日程使用しただけで済んだ。しかもこの夏体調崩す事は一度も無く。いやー人間の適応力って凄いね。しかし盆を過ぎたら一気に涼しくなったから、あれさえ乗り切ればゼロ達成できたかもと思うと悔しい。
ところで、「節電はピーク時間帯だけ行えばよく、深夜の節電は必要無い」という意見がありました。意見というか、まあ学術的に事実なんですけど(使用量が供給量を超えなければよく、夜は使用量の多い工場やオフィスが稼働停止するので)。たださあ、ピーク時間帯だろうが深夜だろうが、電気を消費すればその分熱が確実に発生するわけですよ。で、発生した熱は「熱力学第一法則」とか何だかで自然消滅することはないので、どっかに放散してくれない限りはキャリーオーバーされるわけですよ。で、都市化する以前は、緑やら土やらが吸収してくれたり大気圏外に逃げたりできたのに、現在はご存じの通りアスファルトで蓋しちゃったし、熱夫と熱美の大気圏外への逃避行はCO2という名の頑固親父によって阻まれ…というわけで、現在においては
電気使う=温度上昇
って式が成り立つと思うのですよ(電気使う→熱発生→でも熱の逃げ場が無い→温度上昇)。ヒートアイランドの原因の一つでもありますね。そして、温度が上がれば当然クーラーの稼働も上がり…と、いわゆる悪循環です。
よって、ピーク時間帯かどうかなんて関係無く、常々節電すべきだ!とおもくそは思ったとさ。
※専門家じゃないので完全なる憶測です。実際正しいかどうかは分かりません。でも全然間違ってるってことはないと思うのだけど…
そんな中、深夜どころか、昼間でも全く節電しないという人がいました。その人の言い分は、
「節電して暑いの我慢して体調崩すと、仕事を休む→マクロな視点で経済効果が下がる。そっちの方が問題。
だから我慢(節電)はすべきでない。」
というもの。
うーん、我慢の程度にもよるけど…大抵の人の場合、そもそも今は使いすぎな状態だと思うんですよ。28℃で十分適応できるところを(これには個人差ないと思います)、必要以上に温度下げて使いまくってる甘ったれ状態だと思うんですよ。だから、節電つっても「過剰」を「普通」にするだけなんですよ。その程度の努力すらしない・できないってのは、怠惰・我が儘としか言いようがない。下がっても給料・待遇十分なのに、人件費削減に文句言いまくってる公務員ユニオンとか某電力会社と同じ!
「あーレイプしたい。もちろんレイプはいけないことだ。でも我慢してたらストレスで体調崩す。そうなったら会社の売上が減り、ひいては日本の経済が…だから我慢はよくない。よし、レイプしに行くぞ!」ってのと同じ理屈!そんなのダメ!
ていうか、いつの頃からか「環境とかなんかよりもとにかく経済(金)優先だ!」って人が増えてきてますね。資本原理主義って奴?
余談
この節電を機に、全般的なエコ意識が高まって、エコバッグ持参率上がるかなーと、スーパーとか行くたびに漠然と眺めてみたけれど、そないやなー…そこまでの考えは及ばないのか…燃えてるのは鳥じゃない。ファンの怒りの炎だ。
前述の節電のやり取りがあってから数週間後、以前に述べた『火の鳥 オリジナル版復刻大全集』の代金のカード引き落としが行われた。繰り返すが、その額98700円(1冊約8000円)。よくよく考えたら、地デジ化で買わざるをえなかったブルーレイレコーダーよりも高い。火の鳥と言えば、単行本化の際にエピソードや台詞がまるっと改変・削除された事で有名なので、ファンはオリジナル版の復刻を長い間待ち焦がれていた。そしてついに復刻が決定し、喜び勇んで情報見てみると、この価格…ある人は手が出せないと諦め、殆どの人は二の足を踏み、そして恐らく全員が憤ったと思う。商魂丸出し。ビジネスの基本は「顧客のニーズを満たす」って、ドラッカーあたりも言ってなかったか?どう考えてもファンのニーズを無視してるだろ。復刊にあたって多大な労力・コストをかけただろうから、その辺の単行本と同じ価格帯でとまでは言うつもりは毛頭ないですけどね、誰もハードカバーとかオールカラーとかは望んでいない。ただ物語を読みたいだけだ。貴重な品だから、コレクター向けバージョンとしてハードカバー版はあってもいいだろうけど、廉価版も出した上でファンが好きな方を選べるようにするべきでしょう。
代替品が存在するような商品であれば、「ここの会社の高いから別の会社のにしよ」とか「ここの店、感じ悪いから、別の店で食べよ」というように、余所に移ればよく、それにより見限られた方は淘汰されていくのだけど、この火の鳥に関しては独占販売。他に移りようが無い。どっかの電力会社と同じだ。ここでも、顧客のニーズとか文化の供給とかよりも金儲け優先の「資本原理主義」を感じざるをえなかった。手塚先生はどう思われているのだろう…
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